群馬県高崎市の榛名神社へ参拝しました。
榛名山の中腹、「巌山(いわおやま)」と呼ばれる約15万平方メートルの境内に鎮座する古社です。参道を進むほど巨岩と杉木立が迫り、社殿は岩そのものに接して建っています。
この記事では、御祭神とご由緒、境内の見どころ、御朱印や参拝時間といった情報をまとめています。

御祭神とご由緒
御祭神は火産霊神(ほむすびのかみ)と埴山毘売神(はにやまひめのかみ)です。文化庁の文化財データベースによると、このほか五柱が祀られていると記されています。
高崎市の説明では、五穀豊穣・鎮火・開運などの神として信仰を集めてきたとされています。火の神と土の神を祀る神社です。
創建は用明天皇元年(586年)に祭祀の場が設けられたと伝えられています。ただしこれは伝承で、史料の上での初見は延長5年(927年)に成立した『延喜式神名帳』です。当時すでに格式の高い神社だったことがうかがえます。
境内からは9世紀ごろの寺院跡「榛名神社巌山遺跡」が見つかっており、古くから信仰を集めてきたことが分かっています。
中世には別当寺を中心に発展し、江戸時代には「榛名講」として関東一円へ信仰が広がりました。慶応4年(1868年)の神仏分離令によって仏教色は一掃されましたが、そのなかで三重塔だけは残されたと伝えられています。
2026年は御鎮座1440年
伝承上の創建から数えて、令和8年(2026年)は御鎮座1440年にあたります。
榛名神社では60年ごとの丙午(ひのえうま)の年に特別な大祭を行ってきました。令和8年がその丙午にあたるため、「御鎮座1440年・丙午還暦開扉大祭」が斎行されました。
この大祭は令和8年4月1日から8日までの8日間で、すでに終了しています。 期間中は本社奥の御姿岩内の御扉が開かれました。次は60年後です。
境内の見どころ
参道(約700m)
神社の入口から社殿までは、約700mの参道が続きます。
清流に沿って老杉が空を覆い、巨岩・奇岩が次々に現れます。公式サイトも「登っていただきます」と書いているとおり、平坦な道ではありません。石段もあります。
境内に飲料の自動販売機はありません。 飲み物は事前に用意してから向かうことをおすすめします。
随神門
二の鳥居をくぐった正面に建つ八脚門で、弘化4年(1847年)の建築です。国指定重要文化財のひとつです。
神仏習合の時代には仁王像が置かれた仁王門でしたが、神仏分離令によって仁王像は失われました。現在祀られている随神像は明治39年(1907年)のものです。
矢立スギ
参道に立つ巨木で、高さ55m、幹の周囲9.4m、樹齢400〜500年とされます。昭和8年(1933年)に国の天然記念物に指定されました。
「矢立」とは、武将が戦勝や領内の安全を祈願して境内の木に矢を射立てる儀式のことです。この杉には、武田信玄が戦勝を祈願して矢を射立てたという言い伝えが残っています。
三重塔(神宝殿)
参道に立つ朱塗りの三重塔です。明治2年(1869年)8月に竣工しました。
廃仏毀釈のなかで取り壊しを免れ、群馬県内で唯一現存する木造の塔婆建物とされています。明治以降は「神宝殿」と呼ばれています。
双龍門
安政2年(1855年)竣工の総欅造りの門で、国指定重要文化財です。
4枚の扉それぞれに、丸く文様化された龍の彫刻が施されていることから双龍門と呼ばれるようになりました。羽目板の両面には『三国志』にちなんだ絵柄が彫られ、天井には上り龍・下り龍が描かれています。
本社・幣殿・拝殿と御姿岩

文化3年(1806年)再建の権現造の複合建築で、国指定重要文化財です。
左手が拝殿、右側が本社、両者をつなぐのが幣殿という構成になっています。本社は御姿岩と呼ばれる巨岩に接して建てられ、岩の奥に御神体が祀られています。
彫刻が多く、格天井の花草飛龍の絵は仙台藩の絵師・根本常南の筆によるものです。
榛名神社の国指定重要文化財は6棟あります。本社・幣殿・拝殿/国祖社および額殿/神楽殿/双龍門/神幸殿/随神門の6棟です。平成17年(2005年)12月27日に一括して指定されました。
⚠️ 神楽殿は現在見られません
明和元年(1764年)再建の神楽殿は、保存修理工事のため覆い屋で覆われており、見ることができません。 完了予定は令和10年(2028年)12月末です。工事中のため神楽の奏上も行われていません。
社殿全体の改修は平成29年から令和14年まで順次行われる計画です。参拝前に公式サイトで状況をご確認ください。
御朱印
御朱印は授与所で受けられます。受付時間は8:45〜16:00です。
御朱印帳への直接の記帳は平日のみです。 土・日・祝日は御朱印紙(書き置き)の授与となります。祭典や天候によっては、平日でも記帳ができない日があります。
限定御朱印や日替わり御朱印は用意されていません。
参拝情報
| 所在地 | 〒370-3341 群馬県高崎市榛名山町849 |
|---|---|
| 御祭神 | 火産霊神(ほむすびのかみ)・埴山毘売神(はにやまひめのかみ)ほか五柱 |
| ご利益 | 鎮火・開運・五穀豊穣・商売繁盛のご利益があるといわれています |
| アクセス | JR高崎駅西口から群馬バス「本郷経由榛名湖行き」で「榛名神社前」下車、徒歩約15分(バス約70分)/関越自動車道 高崎IC・前橋ICから約60分 |
| 参拝時間 | 開門7:00/閉門は4〜9月18:00・10〜3月17:00。授与所8:45〜16:00、御祈祷受付8:45〜15:00 |
| 駐車場 | あり(台数・料金は公式サイトに記載なし) |
| 御朱印 | あり(8:45〜16:00/直接記帳は平日のみ) |
| 公式サイト | www.haruna.or.jp/ |
2026-09-20 時点の情報です。参拝前に公式サイトでご確認ください。
御祈祷の初穂料は昇殿する人数によって変わります(1名5,000円以上〜)。予約は原則なく、授与所で直接申し込む方式です。
参拝した感想
大きな岩壁と本殿が一体化している姿に圧倒。参道に入った瞬間から厳かな雰囲気が漂うとても神聖なスポット。
まとめ
榛名神社は、新しい流れを起こしたいときに、まず足元を整えるための神社だと思います。
火は物事を動かす力、土は命を育て足元を支える力とされてきました。その両方を祀り、さらに榛名山では水源への信仰と雨乞いの祈りも受け継がれてきました。
参道は約700mの登りです。時間と体力に余裕をもって、ゆっくり歩いてください。雨の日は石畳が滑りますが、そのぶん杉木立が深く沈んで見えます。

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