神社の入口に立つ鳥居は、どこも同じ形に見えます。
ただ、見比べていくと違いがあります。横木がまっすぐなもの、両端が反り上がっているもの。朱塗りのもの、石のままのもの。
この記事では、鳥居の形の違いと数え方を、神社本庁の説明にそって整理します。
鳥居は神域との境目に立つ
神社本庁は、鳥居を「神社の内と外を分ける境に立てられ」たものと説明しています。
鳥居の内側は、神様がお鎮まりになる神域とされます。つまり鳥居は、建物というより境目の印です。
くぐる前に一礼するのは、そこから先が神域だからです。参拝の手順そのものは神社の参拝作法にまとめています。
名前の由来には諸説ある
「鳥居」という呼び名の由来は、一つに定まっていません。
神社本庁が挙げているのは二つです。
ひとつは『古事記』の天岩戸の場面に結びつける説です。天照大御神が岩屋にお隠れになったとき、八百万の神々が鶏を鳴かせたと伝えられています。このとき鶏が止まった木を鳥居の起源とする見方です。
もうひとつは、外国から伝わったものだとする渡来説です。
どちらも定説とはされていません。 神社本庁も「説」として並べて紹介しています。由来のはっきりしないものを、はっきりしないまま伝えているところが、かえって面白いところだと思います。
形は60数種類あるとされる
神社本庁は「一説には60数種類の形態があるともいわれています」と記しています。
60種類を覚える必要はありません。大きく二つの系統を押さえておくと、たいていの鳥居は見分けがつきます。
神明鳥居|横木が一直線
上部の横木が一直線になっているものを神明鳥居といいます。
装飾が少なく、まっすぐで簡素な形です。木を組んだ構造がそのまま見えるような姿になります。
明神鳥居|両端が反り上がる
横木の両端が上向きに反っているものを明神鳥居といいます。
神明鳥居に比べると装飾的で、やわらかい印象になります。全国の神社で数多く見られる形です。
山王鳥居|上に合掌形の破風
明神鳥居の横木の上部に、合掌形の破風がついたものを山王鳥居といいます。
三角形が載っているように見えるので、一度覚えると見間違えません。
稲荷鳥居|朱塗り
朱塗りであることを特徴とするものを稲荷鳥居といいます。
朱色が使われる理由は二つ伝えられています。魔除けの色とされてきたことと、朱の原料に木材の防腐の働きがあることです。信仰の意味と、建物を保たせる工夫が重なっています。
見分けるときに見る2か所
現地で迷ったら、見るところは2か所だけです。
- いちばん上の横木(笠木)の両端 — まっすぐなら神明系、反り上がっていれば明神系
- 上の横木が1本か2本に見えるか — 明神系は笠木の下に島木が重なるため、2本に見えます

順番としては、まず笠木の端を見て、次に横木の重なりを確かめます。この2か所だけで、神明系と明神系はだいたい分かれます。
ただ、実際の鳥居は例外も多くあります。この記事の写真では、形の名前を断定していません。 見分けがつかないものを「これは明神鳥居です」と書いてしまうと、それは由緒の作り話に近づきます。現地の案内板に形の名が書かれていることもあるので、そちらが確かです。
一の鳥居・二の鳥居という数え方
参道にいくつも鳥居が並んでいることがあります。この場合、外側から順に一の鳥居、二の鳥居と数えます。
たとえば息栖神社では、常陸利根川に面した鳥居を公式サイトが「一の鳥居」と呼んでいます。この一の鳥居の両脇に、忍潮井という湧水があります。
榛名神社では、約700mの参道の途中に三の鳥居が立っています。社殿に近づくほど番号が大きくなる数え方です。

どこから数えるかは神社によって違います。 境内の外、かなり離れた場所に一の鳥居が立っていることもあります。数え方に迷ったら、現地の案内が頼りになります。
この記事で参照したもの
- 神社本庁「鳥居について」
- 息栖神社・榛名神社・香取神宮・鹿島神宮の各公式サイトと現地の案内

まとめ
- 鳥居は神域と外とを分ける境目に立つ
- 名前の由来は、鶏が止まった木とする説と渡来説がある。定説はない
- 形は60数種類あるとされる
- 笠木の両端がまっすぐなら神明鳥居、反っていれば明神鳥居
- 明神鳥居の上に合掌形の破風が載ると山王鳥居、朱塗りを特徴とするのが稲荷鳥居
- 参道の鳥居は外側から一の鳥居、二の鳥居と数える
次に神社へ行ったら、鳥居の上のほうを見上げてみてください。同じ境内の中でも、形の違う鳥居が立っていることがあります。

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